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STUDENT'S LIFESTYLE BASED IN TOKYO

大学院に行くということ

大学生活も残りあとわずか。と言っても4月からまた大学に通います。

 

文系で大学院生というのも私は実際に会ったことがなく、どのような生活をしているのかわからないまま将来を模索中です。最近では日本学術会議の件で博士課程についてなにかと議論されているようですが、日本では大学院というものがかなり閉鎖的であるように思えます。文系、大学院生、日本人、女子、というような肩書きで何か大学院内で起こっていることを世の中に発信していけたらなと考えています。

 

文系の大学院は大体社会では意味がないと言われるようで、理系のように就職に有利になるわけではないのにどうして行くのかと思う人もいるでしょう。

 

私の専攻する分野である国際開発の仕事は新卒はごくわずかです。そのため大学院に行くことがマストなのです。専攻を無視して一般企業に就職、という選択肢もあると思いますが、私の人生はこの分野で生きて行くと大体決まってしまったようなものではないでしょうか。自分で選んだにも関わらず、もう他の分野に行くことはできないのかと悲しんでいる自分もいます。選択肢を自動的に絞られることも閉鎖的という1つの要因なのでしょうか。物理的ではなく、大学院生の心理的に。

 

私の両親は教育学部から教師に、そして妹は薬学部です。ここで共通することは大学入学時に専門分野がすでにはっきり決まっているということです。久しぶりに実家に家族が集まった時、「この教育大学に進んだからにはもう教師になるしかないと思っていたなあ」「薬学部に入ったからには薬剤師になるしかない、逃げられないよ」という話で私以外盛り上がっていました。その時は大変だなと他人事に思っていましたが、今私はそんな状況なのではと感じます。

 

大学院では自分の専攻を勉強しつつ、いろいろな分野の研究に興味を持つこと、机上論だけでなく、現場に行って学ぶことが、社会と研究をつなぐ、自分の可能性を広げることができると考えています。

 

ずっと大学院に行きたかった

就活を一通りやってから院進を目指し、無事に来春からの進路が決まった𝓼𝓾𝓷𝓼𝓱𝓲𝓷𝓮と申します。この通り何か決断する能力が著しく低いです。そんな私がどうやって専攻を決めたのか、志望校を決めた際の動機について書きます。

 

世界をより豊かにしたいと思ったのがきっかけです。大学3年生の夏休みにゼミで台湾にフィールドワークに行きました。首都である台北と、原住民のブヌン族コミュニティである望郷というところで、SDGsについて学び、特に私は女性の役割について(もともとジェンダーに興味がありました)インタビューをしました。

 

台湾は首相が女性ということもあり、世界でもトップクラスでジェンダーギャップ指数が低いです。今回通訳と案内をしてくれた台湾清華大学のTAたちも女子の方が発言権を持っていました。BBQで手伝おうとしたら、これは男がやることなの!と全部やってくれました。

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台北では、ある台湾の旅行会社でインターンをしながら、社員さんにインタビューしました。家で家事をどのくらいするのか、昇進スピードに男女差を感じるかというように、家庭と職場での女性の現状を聞きました。

 

家事は家庭内で半分ずつ分担していたり、家族それぞれ自分で自分のものだけやるという結果でした。また家事サービスの利用も非常に多かったり、外食文化があるので料理はほとんどしないという声も多くありました。しかし職場では、ほとんどの女性社員が昇進スピードに男女差を感じていたり、家庭では、男性が家父長制を負担に思っていたりしていました。

ジェンダー平等が進んでいる台湾でも未だに不満を持っている人がいらっしゃることに驚きました。

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望郷の宿泊施設から見える景色です。台湾で一番高い山である玉山の麓にあります。

 

ここは意図的にコミュニティを閉鎖し、文化を守りながら、環境に良い地域として観光業に力を入れているところです。水質調査の同行や、農業体験、先住民との交流をしました。

ここでも同じ質問でインタビューをしました。昔から女性が家で家事をし、男性が外で働くという男女役割分担がはっきりとしていました。男女役割分担については、日本では近年ジェンダー平等の観点から問題視されています。しかし望郷では、このような伝統文化を維持することでこのコミュニティが持続可能になっているといいます。

 

このフィールドワークでは開発といってもそれぞれの地域によって問題や解決策が異なること実感したことが大きな収穫でした。ジェンダー平等が進んでいる国でもまだまだ問題は残っているんだと実感しました。まだまだ世界には解決しなければならない問題があります。

 

この後から、持続可能な開発とは何か、何をすれば良いのかについて関心を持ち、研究するようになりました。もちろん持続可能な開発を学んでいる台湾清華大学のTAたちにも刺激をもらいました。

ジェンダーに関しては、このフィールドワークの報告書を完成させ、論文大会で批評していただいたり、国際開発の先生方とお話しできたのでひとまず終わりにしました。そして小さい頃から馴染みがあったエネルギーや自然環境に注目して、卒論は環境対策最先進国のドイツにおける再生可能エネルギーの経済効果について、持続可能であるのか調査しました。

 

大学では政治や経済、情報や社会科学など幅広く学ぶことができ、また国際的な授業が多いのが特徴でした。将来グローバルなリーダーとして活躍するためのカリキュラムであり、世界にある様々な課題について学んだり、話し合ったりしました。

次第に世界で困っている人の役に立ちたいと思うようになりました。私は小さい頃から正義感が強く、クラス内のいじめを先生に報告したり(立ち向かうほど強くないので報告だけ)、震災の時には当時のお小遣い全部募金したりして、誰かのために動くことが得意でした。また高校生の時に語学留学でニュージーランドを訪れ、海外で暮らしてみたいと考えていました。

 

台湾に行く少し前、開発経済学の夏休みの集中講義に出ました。その先生は私のゼミの教授と知り合いだということもあり、いろいろ親身に講義内容についてお話ししてくれました。そこで先生のゼミ生がセネガルに行き、漁業保険の利用についてインタビューし、まとめたプレゼン資料を紹介してもらいました。漁業で生計を立てている人々が天候不良などで不漁になった際も生活が保証されるものです。

 

大学生でも遠く離れた国で困っている人々の力になれるとわかり、大学生のちっぽけな自分が国際開発を学ぶことに意義を見出すことができました。